M-Designの独り言  (宝塚、エムデザイン一級建築士事務所のブログ)

宝塚の建築設計事務所 所長の日々考えること、感じたことを綴ったブログです

阪神大震災から16年

震災当日、私は静岡にいました。静岡のホテルで地震を知りました。当時、設計監理していた静岡の銀行の
本部棟の工事で、ホテルに連泊していたからです。家は横浜にありました。
よって、地震の怖さは、目の辺りにしていません。TVや新聞で知る程度でした。
地震後、大阪に来ました。そして宝塚は6年です。
引っ越した当初、地震で破壊された家屋がそのまま放置されているところもありました。
しかし、今は何も無かったかのごとく、地震の傷跡を垣間見ることはありません。

今回、宝塚の少し古いマンションの改修設計を依頼されました。
内部の壁を全部取ってみると、柱、梁、壁に構造クラックが斜めに走っていました。
地震のすさまじさを見ました。
おそらく各階、こうなんでしょう。新しい構造基準以前の建物なので、750galには耐え切れなかったということでしょうか。
施主には素直にお話ししました。大変危険ですよ、次回大地震の際は。。。
エポキシを注入できるところはしましたが、各階こうでしょうから、手の打ち様がありません。
なかなか、悩ましい問題です。

以前、改修をおこなった西宮のマンションも梁に構造クラックが走っていました。

新耐震設計以前の建物は、耐力的に、現状の設計に比べると劣ります。ただ、その時点での法規には則っているわけです。
しかし、現状は、多くの古いマンションや事務所ビルなどが、神戸沖地震を受けて、構造クラックを発生させながらも
たっているのです。

表には見えない傷跡が、奥深いところに潜んでいます。
神戸沖地震の怖さは、まだ続いているのです。